2020年05月27日

映画『私の中のあなた』

 私の命はオーダーメイド、姉を救うために生まれたとの見出しの付いている『私の中のあなた』という2009年公開のアメリカ映画をIVFと関係があるのかと思って見た。このままでは死ぬ運命の白血病で苦しむ姉ケイトを救うためにテクノロジーを駆使して体外受精で臓器移植の出来る抗原を持って作られ生まれてきた11才の妹アナが主人公。原作の小説とは結末は異なるそうだ。従って実際には、生まれた過程については説明が語られた程度。
 アナはケイトのために何回も苦しい骨髄移植を強いられて傷ついているが、おしもの世話をするなどなかよしで面倒もよくみてきた。勿論ケイトは、余命幾ばくもないとの医者の非情の宣告、抗癌剤治療や出血傾向に苦しみ、脱毛し世間の偏見にさらされ、次第に衰弱し忍び寄る死の影。その中で希望の光がともし始めた同じ病の恋人とのはかない恋、何故自分がこんな運命にと生きることへの自問、自責。そして、自分の弁護士としての人生を捨て、すべてをケイトのために必死に捧げ、長男ジェシーもほったらかし、アナには臓器移植をして当然と思い込んで走り続ける母サラを中心に物語は展開。
 ついに延命のためにケイトに最後の手段となった腎移植をアナは拒否し、裁判所に両親を訴えるという手段に及ぶ。家族の絆にひび割れがする。しかし、実は死を願う姉ケイトの心を尊重しての行動であったことがわかり、姉は静かに永眠するが、バラバラになりかけた家族の絆は強まった。
 映画の冒頭で学会で見るような卵子や精子の映像が流れ、同じ臓器移植がキーワードのカズオイシグロの『私を離さないで』のような閉塞感の漂う救いようのない移植するために作られたクローン人間のお話のような内容の始まりかと思っていたら、そうではなく映画としての優れた出来映えに思わず見入ってしまった。様々なテーマが盛り込まれていて、生命倫理に関わる子作りに始まり、生体臓器移植の是非、急性前骨髄性白血病の病像、子供の主張権利は何才からみとめられるのか、苦しい副作用を持つ抗癌剤治療と周囲の無理解や偏見、限られ与えられた命の生き様、家族のあり方や犠牲、そして家族の絆と盛り沢山である。ケイトの恋人のキスでも抗癌剤の味がするといった気の利いたセリフ、出血斑の出現したケイトのメーク、そしてその笑顔も素晴らしく、子役たちは完璧の演技。アナの弁護士が癲癇を予知するイヌをいつも同伴しているエピソードなどすべての人物像を際立たせている。背景も美しく仕上げている。
 しかし、メディカルな仕事にいながら、不届きなことにこれらのテーマを掘ってみようという気はしてこない。それは、楽しいことではないので横着な自分にはとてもエネルギーのいることであり、また映画であるので当たり前ではあるが、実際には出来すぎで計算し尽くされた作品であるがために既にこれらの正解のないテーマ、特に家族の絆についてはこれ以上ない綺麗な模範演技を示されたような気になるからなのでしょう。暗部についてはさらりと流して、エンターテインメント要素のある、いかにも力と合理性を感じさせるアメリカ映画らしい。いずれにしろ根底に必要なことは、その人にどこまで共感できるかということなのでしょう。今回はとりとめのない映画の紹介と感想文になってしまいました。
 このケイトの笑顔の演技素晴らしい。左は母親。
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 完璧な子役たち。左が主人公アナ。スクリーンショット 2020-05-27 0.25.39.png
 子供と同一化し頭を丸める母
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 わずかな至福のかつらをかぶったケイトと間もなく死ぬ運命の恋人
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 母から臓器移植の拒否をなじられるアナ
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 自分を責めるケイト
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 死期の近づくケイトと兄弟の絆
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2020年05月26日

培養室に除湿機設置

 この近辺は、山に池があって年中釣りが出来るくらいに水はけが悪く高湿度になりやすい土地柄。すぐ下は岩盤となっていて雨が降るとすぐに水がたまってしまう。このため培養室に結露が見られたことがあり、カビの発生する危険があるので家庭用除湿機を置いていた。しかし、梅雨の時期になるとすぐに満水となってしまうのでいちいち交換するのが大変で業務に支障をきたす。今回は、大型の本格的な除湿機を5月20日より、本日26日までかけて培養室の専門業者にお願いして設置。これで1時間に8リットルの水を除水可能で湿度を自動的に40〜50%に保つことが出来る。逆にこれ以下で乾燥しすぎると人にも良くないが、プラスチックにも良くないそうだ。本日も65%程度あった湿度が45%にすぐに低下した。今まで多忙で出来なかったが、来年の体外受精再開に向けての準備、修正が一つできた。
 写真は、除湿機本体、培養室とをつなぐダクト。次に排水中のところ。そして、湿度は45%に。
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2020年05月24日

腸内細菌

 遅まきながら近年盛んに研究されている腸内細菌の本を読み始めた。人間は実に大量の腸内細菌と共生しているが、バランスによっては不安、恐怖という情動と大いに関係する、微生物が心まで操ることが出来ることがわかってきた。この中でトキソプラズマに感染したラットは、警戒心を失い、広々した目立つところに出るようになり、猫の猫に食べられやすくなり、結果的に猫の腸内で増殖し排出されて子孫を増やす。これは生物の摂理。人間でもトキソプラズマに感染した男性は、陰気になり嫉妬深くなったり、不安になりがちで反応が鈍くなり集中力を失うことが多くなるという。猫好きの人は猫から感染しやすいので自分の性格も多少関係しているかと思っているところ夕食の時間。
 腸内細菌叢によかれと思ってレタス、キュウリの大量の生野菜、サンマの塩焼き、大根・豆腐・小松菜・キノコの具だくさんで複数のだしの効いたの味噌汁を食べた。この味噌汁、うちの奥さんに大量に作ってもらったので残すともったいない、食べないと怒られるかもしれないと思いお代わりをした。でも腸内細菌にもいいはずなのできっといいことがあるかもしれないのでお椀3杯ほどすべてお腹に流し込んだ。
 その後、お腹が膨れてきて腸管の蠕動が感じられ、苦しくなってきてつい放屁。奥さんは自分の5倍も食べるからだと罵り、怒って2階にあがったまま降りてこなくなり、スココも避ニャン。自分も集中力を失い、ひとりきりで映画を見ただけで何とかこの日は床についた。腸内細菌のバランスを取ることはどうもそう簡単ではなさそうです。あまりきれいな話でないのですみません。
 写真は、家に咲いた薔薇。咲いたと言うよりはバラが実っているという感じ。来年はもっと増やす予定。
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2020年05月20日

スココの発情

 スココが発情期に入り、早朝4時から枕元で大声でうるさくて仕方ない。みうらじゅんの週刊文春のコラムではないが、ニャン生の2分の1以上はいやらしいことを考えてきたということか。エストロゲンがどのように分泌されているのか、猫の内分泌には全く疎いのでよくわからないが、発情期間2週間は続いていて行動や認識も普段とは別猫になってしまう。ポッサム(きつねとリスの中間みたいな動物)のパペット人形を差し出すといつもは猫パンチを浴びせ、かみつき攻撃をするのに発情期には仲良しとなりスリスリさえしている。人間では女性の月経前に不快な気分になることがあるのはよく知られているが排卵期のエストロゲン上昇のみではそこまでのことはないし、男性のトランスジェンダーの方に乳房維持のためのエストロゲンの注射を毎月やっておくと排卵を起こすLH surgeを誘起できるという論文を見たことがあるが、性格や情動までは支配されないようである。とにかくスココの優生手術が優先課題。
 写真上段はポッサムに戦闘モードで体をひねって挑む正気のスココ、下段はポッサムと仲良く発情期のスココ

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2020年05月17日

堕ちたロミオ

 5月に入ってから、自宅にあかどらの大型の雄猫(どこかの飼い猫、名前不詳)がうちの雌猫(まだ1才名前はスココ)の発情した鳴き声に引き寄せられてやってくるようになった。うちの窓の金網越しに両猫ご対面するも、この金網に阻まれて2匹の愛は育めない。このため雄猫をロミオと呼んでいたが、毎日訪れご苦労なことなのでスココの食べ残しのキャットフードを与えてみるとすごい食いっぷりであっという間に平らげた。さばや豚肉の残り、そのうちにモンプチをあげたり、次第にグレードアップ。すると歓喜のロミオとなり、ジュリエットであるうちのスココには最早目もくれなくなった。そればかりか朝早くから玄関前におとなしく待っていて、出て行くと飛んできてはスリスリ、猫なで声を出し、腹を出しては体触らせ放題の大サービスをするようになった。目が合うとどうもおまえのうちの猫になりたいと言っているように見えるが、それはだめ。愛や色気は、美味しい豊富な食べ物の前には無力であり、身売りをしたい堕ちたロミオでした。
写真は上からロミオ、ジュリエット役のスココ、窓越しに遠くの食事に夢中のロミオに見入っているスココ

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posted by すここ at 19:56| Comment(0) | 日記