2020年08月02日

贈られた桃

 先日、農園を営む親戚の方が採れた桃を一箱贈ってくれた。coopで買った桃があったが、これよりも一回り以上大きく甘くてスタッフと分け合って美味しくいただいた。ところで農園を発展させたSさんは、既に97才となり、現役を引退し車椅子生活となっている。戦後、満州からソ連に連行され、捕虜生活を送った体験を持つ。また、帰国してからもソ連帰りの者は共産主義に洗脳されているとされ、徹底した赤狩りの時期で就職はなく周囲からも白い目で見られたそうである。何とか農協で借金をして、農具・苗・肥料を購入し、一から果物を作り始め、樹木を見れば何をしてほしいのかわかるようになり、一時は東京の高野フルーツパーラーにも出荷していた。これでも毎年のように借金をしては、果物作り、そして翌年借金の繰り返しでちっとも儲からない。一番お金になったのは土地を転売したときのみだったという。92才まで軽トラックを運転して散在する丘陵地の小農園を巡って早朝から農作業に勤しんでいた。その後は、公務員を定年退職となった長男のTさんが後を継いでいるが、農協では一番の若者でとても重宝されているという。農協では雑用係がほしいようだ。とても60才には大変であるが、近所づきあいのこともあり、農協だけでなく様々な地元の会合にも顔を出しとても忙しい。
 一方奥さんのMさんは、この生活ペースに適応するにはとても無理。この家に初めて来た途端にSさんから背負子を渡され困惑。Sさんの要求通りに働かないと悪口を言われ近所にも働かない嫁が来たと吹聴。家事をきちんとやったつもりでもSさんの思っているやり方に外れたりすれば気が利かない嫁とされ、殺風景なのでちょっと装飾品を買おうものなら勿体ないと文句を言われるばかり。気がつけば自分名義の貯金は底をつき、Sさんの長女が出戻って来てますます居場所はなくなってきたが、逃げられない。ここは、お嫁さんの目線からのお話で農業が軽んじられてきた政策に行き着くことになると思うが、優秀なSさん、息子さんのTさんをを以てしてもこのようなことになってしまうので田舎や農家に嫁が来ないで高齢化し、若い人たちは縛りのない東京志向、独身志向となってしまうのでしょう。人口減少や昨今の異常気象と相まって将来はどうなってしまうのかしらんと思うが、そんなことより丹精して送って下さった作品なので感謝しつつ食べると甘く適度に柔らかくとても美味しい。そのうちうまさにだけ頭は囚われて、そんな余計な思いは吹っ飛び、贈られ主の奥さんの分までさらって桃ばかり食べていたらあっという間に2キロ体重増加。今にあの頃は美味しい桃があったのになあと、桃に限らないが思いを馳せる時代が来るのだろうか。
Sさんの葡萄農園、整然としている。東日本大震災の時は近くの地域で桃にセシウムが検出されてたいへんだったそう。ぶどう園もあちこち空の棚が目立つって来た。
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Sさん。既に友人は他界しているのでお墓に向かって○○ちゃん、○○さんと話しかけていた。
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同じくSさんと近所の方、こちらが最新の写真。
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posted by すここ at 08:40| Comment(0) | 日記
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