2020年08月01日

精液検査

 久しぶりに自分で精液検査を行う機会があった。液状化を待って、容量・外観・粘稠度を調べる。やや生臭いにおいがして、昔の教科書には栗の花の匂いがすると記載があったが、ピンとくる人は少ないだろう。簡便的にマクラーチャンバーで観察。100μ×100μの面積の1マスの中にいる精子を10マス数えて、この数に100万を掛けたものが1mlあたりの精子の濃度となる。当然ではあるが、精子は動いているから1マス内を数えているうちにマスの中に出入りするものがいるので素早くカウントすることになるが、誤差が生じる。このため新入の培養士さんには何回も一緒に数えてもらって『目あわせ』をやっている。人工授精や体外受精で処理を行った精子は少なくはなるが、もっと動きが激しく速くなるのでこちらも何回も目あわせを行い、一致するまで行う。特に顕微授精を行うか、通常の体外受精の媒精で良いのかは、この濃度で決定するので意味は大きい。最近は簡便な精子自動カウント装置もポピュラーとなってきたが、基本を知らないことには始まらない。
 じっくり精子を見ていると奇形の精子は少なからず観察され頭の大きなもの、小さなもの、未熟なもの、尻尾の曲がっているもの、2本尻尾のあるもの、短いものが見て取れる。しかし、もっと細かい頭部の形のどんぐり型、丸型、先細り型の精子、先体異常などの観察はdiffqickという染色を行って、動いている精子も止めて標本で観察しないと正確にはわからない。結果的にわずか4%以上の正常精子があれば正常所見となる。もっとも正常所見というのも必ずしも当てにならない。これは形態の検査で機能、すなわち受精能力を見る検査ではないからだ。
 でも何でこんなにreproductionに精子が必要でこういうシステムになっているのか、自分で生んで作って養ってやってこんなものを飼っていたのか、死滅精子という言葉があるので生き物?生物?生命体?流れのあるところに置くと流れに逆らって泳ぐが何でか?と思うこともある。精子の研究者は遺伝子、分子など様々なレベルでの疑問解明に日々勤しんでいて日進月歩。すぐではないが、いずれは自分の細胞から精子を作る時代が来るのであろう。
posted by すここ at 22:48| Comment(0) | 日記
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